小学校に上がる前、 近所に住む年上の少年たちと土手の草むらで虫捕りをしていた。
キチキチ バッタや殿様バッタは素早いので、僕には捕まえることができなかッた。
269 :ダメレオン ◆aKQ2SJ2lbM :2012/08/19(日) 04:29:13.95 ID:Cbo5Z/XN0
【アレはなんだったのか?】1/2
小学校に上がる前、 近所に住む年上の少年たちと土手の草むらで虫捕りをしていた。
キチキチ バッタや殿様バッタは素早いので、僕には捕まえることができなかッた。
年上の少年が捕ったバッタのオコボレをもらって満足するしかなかった。
うわッ!土手の上のほうにいた少年が、小さな悲鳴を上げた。見ると土手の斜面を何かが転がってくる。
ソレは長さ30センチほどで目も鼻もクチもなく、太さは 葉巻ぐらい、色は肌色、両端は少し萎んでいて毛はなくツルンとしていた。
ソレはどう見てもミミズに見えた。
270 :ダメレオン ◆aKQ2SJ2lbM :2012/08/19(日) 04:32:44.54 ID:WZvCDUBC0
【アレはなんだったのか?】2/2
ミズチだッ!別の少年が叫んだ。
ミズチ!ミズチ!少年たちが騒ぎ出した。
そのうち少年たちが小枝でソレをツツキ始めた。
ツツかれたソレは苦しそうに身をくねらせた。
僕は気味が悪くなって先に家に帰った。
ミズチとはゲゲゲの鬼太郎にも出てきた妖怪で、架空の動物である。
かといって、あんな巨大なミミズや蛭が日本に生息しているはずがない。
ミズチと呼ばれたアレは、少年たちによって殺されたのだろうか。
それともあの中の誰かが家に持ち帰り、飼うことにしたのだろうか。
今となってはわからない。
そもそもアレは、なんだったのか?
出典: ・【8月18日】百物語本スレ【怪宴】