師匠シリーズ 【師匠シリーズ】118 心霊写真3 それから僕らは連れ立って小川調査事務所を後にした。師匠は「餅は餅屋だ」とだけ言って、行き先は告げなかった。僕はただそれについて行った。JRの駅に向かったので少しドキドキしたが、ロッカーには近寄りもせず、切符を買って改札を抜けた。 2025.02.17 師匠シリーズ
師匠シリーズ 【師匠シリーズ】117 心霊写真2 ヤクザどもが去って行った後、小川さんはしばらくソファでぐったりしていたが、急に飛び起きると、慌てた様子でデスクについて仕事を片付け始めた。ホワイトボードのスケジュールに目をやると、所長は今日の午後三時半の飛行機で東京へ立つことになっていた。 2025.02.17 師匠シリーズ
師匠シリーズ 【師匠シリーズ】116 心霊写真1 大学二回生の春だった。僕はその日、バイト先である興信所に朝から呼ばれ、掃除と電話番をしていた。掃除は鼻歌をうたっている間に終わり、あとは電話番という不確かな仕事だけが残った。 2025.02.17 師匠シリーズ
師匠シリーズ 【師匠シリーズ】003 趣味の話 僕の師匠は実に多趣味な人だった。もちろんオカルト道の師匠であるからして、その第一はオカルトであるのだが、他にも色々なものに凝っていた。中でもスポーツは大好きで、野球、プロレス、水泳、登山、ビーチバレー、短距離走と、節操なく手を出していた。 2025.02.17 師匠シリーズ
師匠シリーズ 【師匠シリーズ】115 テレビ 大学二年の夏だった。オカルト道の師匠であるところの加奈子さんが、人からもらったという大量のそうめんを処分しようと、「第一回大そうめん祭り」と称して僕を呼びつけた。 2025.02.16 師匠シリーズ
師匠シリーズ 【師匠シリーズ】114 祖母のこと その女性は五十代の半ばに見えた。カーキ色の上着にスカート。特にアクセサリーの類は身につけておらず、質素な装いと言っていい。「こんなお話、していいのか…… ごめんなさいね。でも聞いていただきたいんです」 2025.02.16 師匠シリーズ
師匠シリーズ 【師匠シリーズ】113 本 大学四回生の冬だった。そのころの俺は、卒業に要する単位が全く足りないために早々と留年が決まっており、就職活動もひと段落してまったりしている同級生たちと同じように、悠々とした日々を送っていた。 2025.02.16 師匠シリーズ
師匠シリーズ 【師匠シリーズ】112 空を歩く男 大学一回生の春だった。そのころ僕は、同じ大学の先輩だったある女性につきまとっていた。もちろんストーカーとしてではない。 2025.02.16 師匠シリーズ
師匠シリーズ 【師匠シリーズ】111 連想Ⅰ 「二年くらい前だったかな。ある旧家のお嬢さんからの依頼で、その家に行ったことがあってな」オイルランプが照らす暗闇の中、加奈子さんが囁くように口を動かす。 2025.02.16 師匠シリーズ
師匠シリーズ 【師匠シリーズ】110 保育園 後編 キッ、となって悦子先生も立ち上がる。麻美先生も肩を怒らせながら立ち上がった。それに遅れて洋子先生と由衣先生もおずおずと腰を浮かせる。 2025.02.16 師匠シリーズ