師匠シリーズ

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【師匠シリーズ】055 失せ物探し

1回生の冬。市内の居酒屋で『灰の夜明け』というオカルトフォーラムのオフ会があって、そのあと、一部の主要メンバーたちで裏オフ会をすることになった。
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【師匠シリーズ】054 いつもそれで赤点だったのね

高校1年の12月のことだった。寒いのは好きじゃないので、毎年この時期はつらい。まして高校生にもなって、制服がスカートなのが納得いかない。ジーンズを穿いて登校したい。そう言うと、クラスメートの高野志穂は、こんなかわいい格好できるのは、いまだけだよ、と妙にババくさいことを言った。
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【師匠シリーズ】053 なんだいまの。かわいいじゃねぇか

 松浦から依頼されたCというクスリの件が、思うように進んでいないなか、僕は資料整理のバイトのために小川調査事務所に来ていた。
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【師匠シリーズ】052 科学的検査を信じろ

 僕と師匠は、西沢が去ったあと、大学へ向かった。師匠の提案で、この小瓶の中身が本当に水なのか、確認したほうがいいということになったのだ。それもそうだった。そうなると、液体の検査ができる研究室があるところ、ということになる。
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【師匠シリーズ】051 マリファナとハッシッシを少し

 高谷所長と会ったその足で、僕らは小川調査事務所に向かった。今日は重要な依頼があるのだ。「ギリギリになっちまったな」 早足で歩く師匠のうしろで、僕の足取りは重かった。なにしろ相手がヤクザだからだ。
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【師匠シリーズ】050 アンタッチャブルってことですか

 大学2回生の冬のはじめだった。 僕は師匠に連れられて、タカヤ総合リサーチにやってきた。何度も来ているので、いまさら驚くこともないが、これが自社ビルだという。「どうした。いくぞ」
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【師匠シリーズ】047 石

大学2回生の夏だった。 俺はオカルト道の師匠に連れられて、ある神社に来ていた。西のK市にある山のなかの神社だ。 師匠の軽四でノロノロと山道を登っていると、石垣が見えてきた。路肩の広いところに車を停めて、神社の敷地に入った。
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【師匠シリーズ】048 防火水槽

 大学1回生の秋だった。 僕の師匠は、大学院に在籍しながら、興信所の調査員という変わったバイトをこなしつつ、オカルト道をまい進するかたわら、地元の消防団に入っていた。実に忙しいことだ。
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【師匠シリーズ】046 写真屋

 大学2回生の秋の終わりだった。 僕は1人で、小さなマンションの前に立っていた。繁華街から少し離れたところにある、古くてみすぼらしいマンションだ。
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【師匠シリーズ】045 落し物

大学6回生の夏だった。 そのころ俺は、卒業まであと数単位となっており、レポートさえ出しておけば単位はくれてやる、という教授のお言葉に甘え、ひたすら引きこもっていた。いまだにもらっている仕送りと、たまにやるパチスロで生計を立てており、バイトはやめてしまっていた。