師匠シリーズ

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【師匠シリーズ】020 握手 前編

大学1回生の春だった。入学して2週間が経ち、戸惑うばかりだった大学生としての生活サイクルにもようやく慣れる兆しが見え始めたころ。
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【師匠シリーズ】014 MMO

 大学6回生の春だった。 そのころ俺はオンラインゲームにはまっていた。 単位が足らず、卒業が延びに延びていたが、去年それなりに頑張ったおかげで目処がつき、大学生活最後の1年は好きなだけゴロゴロしようと心に決めていた。
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【師匠シリーズ】013 医者の話

 大学2回生の夏。 僕はオカルト道の師匠である加奈子さんに連れられて、ある豪邸の前に来ていた。「医者に会いに行く」
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【師匠シリーズ】011 溶接

大学一回生の冬。俺は自分の部屋で英語の課題を片付けていた。その頃はまだ、それなりに授業も出ていたし、単位もなんとか取ろうと頑張っていた。
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【師匠シリーズ】012 ウサギ

大学一回生の秋だった。サークルの飲み会があり、安い居酒屋の飲み放題コースで十人ほどの仲間がだらだらと喋っていた。そのうち、小学校と中学校が一緒だったという二回生の男の先輩二人が、いつもの暴露話を始めた。お互いのかつての悪事や、若気のいたりの恥ずかしい話をバラしあっては自爆していたのだ。
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【師匠シリーズ】010 窓の向こう

公園で遊んでいた女の子を攫ったのはペットの犬を亡くしたからだった。家の地下室で飼いはじめたものの、ちっとも懐かないので両目を潰してみた。すると少女はすっかり従順になり、ペットとして相応しい態度をみせはじめたのだった。
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【師匠シリーズ】009 絵 《Ⅲ》

 大学二回生の秋だった。 人生二度目となる大学祭のシーズンが来て、イチョウの落ち葉が道を覆っているキャンパスを歩いていると、そこかしこで模擬店や様々な出し物の準備が行われていて、すべてが楽しげに浮き足立っているように見えた。
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【師匠シリーズ】008 絵 《Ⅰ》《Ⅱ》

大学の研究室のメンバーが行きつけにしているバーがあるのだが、そこで知り合った研究室のOBからちょっと不思議な話を聞いた。
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【師匠シリーズ】007 師事(再生)

僕が海沿いのド田舎から某中規模都市の大学に入学したころ。とりあえず入ったサークルにとんでもない人がいた。
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【師匠シリーズ】006 桜雨 後編

結局、尾行は失敗した。見つかってしまったのではなく、見失ったのだ。まあこんなものか。