師匠シリーズ

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【師匠シリーズ】88 土の下

大学一回生の春。僕は思いもよらないアウトドアな日々を送っていた。それは僕を連れ回した人が、家でじっとしてられないたちだったからに他ならない。中でも特に山にはよく入った。うんざりするほど入った。
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【師匠シリーズ】87 デス・デイ・パーティ

はっぴですでいつーゆうはっぴですでいつーゆうはっぴでーすでいでぃあcoloちゃんはっぴでーすでいつーゆう
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【師匠シリーズ】86 列

大学に入ったばかりの頃、学科のコースの先輩たち主催による新人歓迎会があった。駅の近くの繁華街で、一次会はしゃぶしゃぶ食べ放題の店。二次会はコースのOBがやっているドイツパブで、僕は黒ビールをしたたかに飲まされた。三次会はどこに行ったか覚えていない。
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【師匠シリーズ】85 もういいかい

大学二回生の春だった。休日の昼間に僕と加奈子さんはとある集会所に来ていた。平屋のさほど大きくない建物だ。バイト先の調査事務所の所長から話を聞きにいくように指示されただけで、なんの準備もなしに渡された地図を頼りにやって来たのだった。
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【師匠シリーズ】84 なぞなぞ

大学四回生の冬だった。俺は仲間三人と少し気の早い卒業旅行をした。交代しながら車を運転し、北陸まわりで関東へと入った。宿の手配もない行き当たりばったりの旅で、ビジネスホテルに泊まれれば良い方。どこも満室で、しかたなく車の中で寒さに震えながら朝焼けを見たこともあった。
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【師匠シリーズ】83 通夜

女の子はその暗い廊下が好きではなかった。かび臭く嫌な匂いが壁や床に染み付いている気がして、そこを通るときにはどうしても息を殺してしまう。その廊下の先にはおじいちゃんの部屋があった。
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【師匠シリーズ】82 四つの顔

大学一回生の冬だった。そのころ俺は大学に入ってから始めたインターネットにはまっていて、特に地元のオカルト系フォーラムに入り浸っていた。
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【師匠シリーズ】80 木

大学二回生の春だった。近くを通ったので、オカルト道の師匠の家にふらりと立ち寄った。アパートのドアをノックしてから開けると、部屋の中では師匠が畳の上にあぐらをかいてなにかをしきりに眺めている。
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【師匠シリーズ】79 先生 後編

先生は手にチョークを持ったまま口を開く。「あなたは一昨日の夜、まずシゲちゃんと一緒に二人で洞窟に入った」黒板には洞窟の絵と、丸と線だけの人間が二人描かれている。その上には①というマーク。
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【師匠シリーズ】78 先生 中編

その日は特に陽射しが強くてやたらに暑い日で、家で飼っていた犬も地べたにへばりついて長い舌をしんどそうに出し入れしていた。それでも僕ら子どもには関係がない。夏休み学校から帰ってきて昼ご飯をかきこんでから午後にシゲちゃんたちと合流すると、裏山に作った秘密基地に連れて行かれた。