MARI

宿にまつわる

【洒落怖】超高層ホテル【短編】

若い男性四人ほどが、100階建ての超高層ホテルに泊まった。偶然な事に、その男性らの部屋は100階だった。
師匠シリーズ

【師匠シリーズ】108 保育園 前編

土曜日の昼ひなか、僕は繁華街の一角にある公衆電話ボックスの扉を開け、中に入った。中折れ式のドアが閉まる時の、皮膚で感じる気圧の変化。それと同時に雑踏のざわざわとした喧騒がふいに遮断され、強制的にどこか孤独な気分にさせられる。一人でいることの、そこはかとない不安。
洒落怖

【洒落怖】お泊り保育【短編】

私が通っていた幼稚園での話。花の名前の教室ばかりの中、一つだけうさぎ組ってのがあってさ。二階だったけど、階段に机や椅子が積み重ねてあって上がれないようになってた。
洒落怖

【洒落怖】雑居ビルの怪

今からもう14年くらい前の中学2年の時の話です。日曜日に仲の良い友人達と3人で映画を観に行こうという話になりました。友人達を仮にAとBとします。
殿堂入り

【洒落怖殿堂入り】一途な思い

僕の家の隣に女の子が越してきたのは小四の夏休みだった。彼女の家庭にはお父さんがいなかった。お母さんは僕の目から見てもとても若かったのを覚えている。
後味の悪い話

【後味の悪い話】大量の食糧と共に餓死した植物学者

昔テレビで観た、大量の食糧と共に餓死した植物学者の実話が壮絶だった。救いはあるけど。
トンネルにまつわる

【洒落怖】あの8月を忘れない

群馬県と埼玉県を結ぶ静かな山沿いの町を抜ける道路は、神流川を縫うように走っている。左に御荷鉾山をいただき、ゆるやかな流れの所々にカラフルなキャンパーのタープが点在している。そろそろ夕刻も近い。
後味の悪い話

【後味の悪い話】ユニセフ親善大使

黒柳徹子がユニセフ親善大使としてアフリカに行った時の話。内戦で虐殺が行われたと言われていた国行って、難民キャンプを訪れた。
師匠シリーズ

【師匠シリーズ】107 風の行方 後編

それから僕らは、師匠の感じ取る風の向かう先を追い続けた。それは本当の意味で、目に見えない迷路だった。「あっち」「こっち」と師匠が指さす先にひたすら自転車のハンドルを向け続けたが、駅前の大通りを通ったかと思うと、急に繁華街を外れて住宅街の中をぐるぐると回り続けたりした。
師匠シリーズ

【師匠シリーズ】106 風の行方 前編

大学二回生の夏。風の強い日のことだった。家にいる時から窓ガラスがしきりにガタガタと揺れていて、嵐にでもなるのかと何度も外を見たが、空は晴れていた。変な天気だな。そう思いながら過ごしていると、加奈子さんという大学の先輩に電話で呼び出された。