MARI

師匠シリーズ

【師匠シリーズ】48 自動ドア

先日、ある店に入ろうとしたときに自動ドアが開かないということがあった。さっき出たばかりのドアなのに、戻ろうとすると反応がない。苦笑して別のドアから回り込んで入った。
師匠シリーズ

【師匠シリーズ】47 鋏

大学3回生のころ、俺はダメ学生街道をひたすら突き進んでいた。2回生からすでに大学の講義に出なくなりつつあったのだが、3年目に入り、まったく大学に足を踏み入れなくなった。
師匠シリーズ

【師匠シリーズ】58 怪物 「起」

京介さんから聞いた話だ。怖い夢を見ていた気がする。薄っすらと目を開けて、シーツの白さにまた目を閉じる。鳥の鳴き声が聞こえない。
殿堂入り

【洒落怖殿堂入り】しっぽ

これは、俺の祖父の父(俺にとっては曾じいちゃん?)が体験した話だそうです。大正時代の話です。大分昔ですね。曾じいちゃんを、仮に『正夫』としときますね。正夫は狩りが趣味だったそうで、暇さえあれば良く山狩りに行き、イノシシや野兎、キジなどを獲っていたそうです。
師匠シリーズ

【師匠シリーズ】46 ともだち

大学2回の冬。昼下がりに自転車をこいで幼稚園の前を通りがかった時、見覚えのある後ろ姿が目に入った。白のペンキで塗られた背の低い壁のそばに立って、向こう側をじっと見ている。
師匠シリーズ

【師匠シリーズ】32 病院

大学2回生時、9単位。3回生時0単位。すべて優良可の良。俺の成績だ。
師匠シリーズ

【師匠シリーズ】45 雨上がり

昨日から降っていた雨が朝がたに止み、道沿いにはキラキラと輝く水溜りがいくつもできていた。大学2回生の春。梅雨にはまだ少し早い。大気の層を透過して、やわらかく降り注ぐ光。
師匠シリーズ

【師匠シリーズ】44 跳ぶ

俺は子供のころからわりと霊感が強い方で、いろいろと変な物を見ることが多かった。大学に入り、俺以上に霊感の強い人に出会って、あれこれくっついて回っているうちに、以前にも増して不思議な体験をするようになった。
百物語

【オカルト板百物語】職業病

友人にネイリストをしている女性がいます。本来の職業は美容師なのだが、ネイルアートが得意で現在はそちらの依頼が入ることが多いと言っていました。
百物語

【オカルト板百物語】無題

もう二十年近く前の夏の話だ。その日はちょうど祭りがあって、友達と夜店を回る約束をしていた。