MARI

師匠シリーズ

【師匠シリーズ】026 馬霊刀 3/4

 鳥井家の敷地を出たあと、師匠は興奮気味に言った。「おい。あのじじい、なにか知ってるぞ。大当たりだ。イヌジニンの昔の『仕事』がそんなにセンシティブなら、教えてくれた宮内先生が警告したはずだ。それがあんな過敏な反応をするってことは、なにか、それがセンシティブになる事情が、あのじじいの側にあったってことだ」
後味の悪い話

【後味の悪い話】中学生の時、一週間程授業がなかった

中学生の時、一週間程授業がなかったことがあった。部活も休みになった。何故か私一人だけ職員室で資料プリントを手伝わされたりしていた。一週間ほぼ職員室に缶詰。他の皆は教室で自習。
師匠シリーズ

【師匠シリーズ】025 馬霊刀 2/4

 それから1週間ほどは、なにごともなかった。 小川調査事務所の師匠を名指しした依頼は、特になかったので、そのあいだ僕らは事務所のバイトから離れていた。師匠とは2回ほど一緒に飯を食べたが、その『弓使い』に関わる話はしなかった。訊こうとしたが、「捜査中」と言って教えてくれなかったのだ。
殿堂入り

【洒落怖殿堂入り】ゲシュタルト崩壊

家に姿見のような大きめの鏡がある方は一度試して貰いたい鏡に映った自分を見ながら 『 お前は誰だ 』 と言ってみてください
後味の悪い話

【後味の悪い話】会いたい人

『徳光和夫の会いたい』って番組があった。思い出の人とご対面番組。ある女性。子供の頃大やけどして長期入院した。
師匠シリーズ

【師匠シリーズ】024 馬霊刀 1/4

『服部調査事務所』と書かれたドアに背を向けて、狭い階段を下りていく。 目の前で師匠の頭が揺れている。少し猫背で、ポケットに手を入れ、愉快なことなどなにもない、という足取り。
トイレにまつわる

【洒落怖】トイレの長居【短編】

十年位前のことです。当時中学生だった私は運動部に所属しており毎日夜七時すぎまでバレーボールにはげんでいました。
師匠シリーズ

【師匠シリーズ】023 見えない男

1回の秋だった。「黒い手」の一件以来、ときどき覗いていた都市伝説などを語るサイト『ピーチロア』で、突発オフ会の参加者を募っているのを発見した。中高生が多く、大学生の自分には少々居心地が悪かった覚えがあるが、あまりに暇だったので行ってみることにした。
師匠シリーズ

【師匠シリーズ】022 誕生日

その教師は私立の中学校で数学を教えていた。その年は、1年生のうちA組からF組の6クラスを担当していた。1クラスが40人ずつだったので、240人を担当していることになる。テストの時期には採点で腕が腱鞘炎になりそうだった。
トイレにまつわる

【洒落怖】トイレの先客【短編】

深夜2時を回ってみんなが寝静まった頃にトイレがしたくなった