2025-02

師匠シリーズ

【師匠シリーズ】107 風の行方 後編

それから僕らは、師匠の感じ取る風の向かう先を追い続けた。それは本当の意味で、目に見えない迷路だった。「あっち」「こっち」と師匠が指さす先にひたすら自転車のハンドルを向け続けたが、駅前の大通りを通ったかと思うと、急に繁華街を外れて住宅街の中をぐるぐると回り続けたりした。
師匠シリーズ

【師匠シリーズ】106 風の行方 前編

大学二回生の夏。風の強い日のことだった。家にいる時から窓ガラスがしきりにガタガタと揺れていて、嵐にでもなるのかと何度も外を見たが、空は晴れていた。変な天気だな。そう思いながら過ごしていると、加奈子さんという大学の先輩に電話で呼び出された。
洒落怖

【洒落怖】娘に受け継がれる箱

彼女の家には、古くから受け継がれる箱がある。サイズは30×30×30というから、それなりに大きい。見た目は船箪笥のようなもので、上面に持ち手がある。
洒落怖

【洒落怖】片付けの手伝い

10年くらい前になるかな。俺は3流大学に通う苦学生だった。週4日のバイトと仕送り(家賃と光熱費で消える)で、やっと人並みの食い物が食える程度の収入があった。
師匠シリーズ

【師匠シリーズ】105 ペットの話

高校一年生の春。私は女子高に入ってからできた友だちを、自分の家に招待した。ヨーコという名前で、言動がとても騒がしく、いつもその相手をしているだけでなんだか忙しい気持ちになるような子だ。
後味の悪い話

【後味の悪い話】ウェルニッケ脳症

医療過誤の話。ある男性が胃がんを発症し、胃を全部摘出した。
後味の悪い話

【後味の悪い話】動植物系の話題2件

動植物系の話題2件。まずは動物編。昔は、犬に服を着せてる飼い主なんてアホだと思ってた。
洒落怖

【洒落怖】同窓会の案内

僕が今年の夏に経験した話です。今年の夏、田舎に帰るかどしようか迷っていた頃、ヨッシーから電話がありました。『何年も戻ってないけど、どうしてるんだ?今年の同窓会には参加しないのか?
後味の悪い話

【後味の悪い話】大好きだった祖父

5年ぐらい前に、同居していた祖父が亡くなった。死ぬ直前にはすっかりボケちゃってたが、小さい頃はよく遊んでもらったので、俺は大好きだった。
師匠シリーズ

【師匠シリーズ】103 トランプ 前編

大学一回生の冬だった。その日僕は朝から小川調査事務所という興信所でバイトをしていた。